2009年6月 No.578 Volume 49 コピライト2/4
2.PPV-DVDの特徴
PPV-DVDは、DVDビデオ規格に準拠しており、広く普及しているDVDプレーヤーやHDD/DVDレコーダー、DVDドライブ付きのPCなどで視聴できることが、大きな特徴となっている。また、DVDに収録されているコンテンツの料金を一括して支払うのではなく、視聴するコンテンツ毎に料金を払うというビジネスモデルにより、購入時の初期費用を抑えることに成功している。購入したDVDビデオはそのまま所有することができるため、ビデオ・オン・デマンドやインターネットの映像配信に比べると、簡単にテレビで視聴することができ安心感が高いといえる。
PPV-DVDは、収録されているコンテンツの種類により、①テレビドラマシリーズなど連続したエピソードが収録されているタイプ、②独立した作品を複数収録しているタイプの二つに分けることができる。①のタイプには、『Re:Genesis』や『朱蒙(チュモン)』、『24』などがあり、コンテンツそのものを販売することを目的としている。②のタイプには、「名探偵コナンMAGIG FILE」シリーズや「仮面ライダー トリプルライダー 1stエ
ピソードコレクション」などがあり、新作映画の公開に合わせて、関連のテレビドラマを収録したり関連映画を収録したものなど、映画のプロモーション的な要
素が濃い。もちろんこのタイプでも、コンテンツそのものを販売することを目的としたものもみられる。最近リリースされた「ショートショート フィルムフェ
スティバル&アジア」などは、コンテンツ販売を目的としたものである。
短編映画をDVDビデオとしてリリースすることはビジネス的に難しいことが多いが、PPV-DVDの場合は作品毎に視聴料を徴収するということにより、コンテンツパブリッシャー側からもDVDビデオを制作する負担が少なくなると予想される。また、利用者側からも好きな作品や興味がある作品の視聴料だけ支払えば良いという安心感により、購入しやすくなるということが考えられる。
このようにPPV-DVDは、高価なセル用DVDビデオを購入するには抵抗があるが、機会があれば視聴したいとか、レンタルでも良いが、できれば手元においておきたいといった需要に応える、セルとレンタルの中間となるビジネスモデルとなることが期待されている。
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